幽閉その後 (1999年11月8日)

 

最初のころ、幽閉された11匹は、情況をのみこめないで落ち着かなかった。

市販の防臭剤入り砂トイレに、抵抗するのがいて、これには今でも困っている。
石敷きの床を水を流して洗うわけだが、この時にはサッシ戸を開放する。

猫たちは庭に出て大伸びをして、おもむろに専用のトイレ場で、盛大に砂を掘り起こし用
を足す。トイレ場は広いのに、「みんなと一緒は厭だ」というふうに、庭の隅に走るのも
いる。みんな、我慢していたのかと思うと不憫である。
用がすんだら、丹念に砂をかけて後始末をする。
どんな、チビでも猫はこのようにする。
人にフンを始末してもらう犬とは、ここが違う。

庭の木に駆け上り、駆け下り、目をキラキラさせている。
草わらに身を隠し、いきなり飛びかかって、追いかけっこをする。
こんなふうに、庭だけで遊んでくれたら、なんの問題もないのに、次は隣家探訪に移る。
そして、私は苦情の電話におびえる仕儀と相成るわけである。

猫とて、幽閉されるために猫部屋に戻るわけはない。
それを、どうして戻すかが問題である。
管理人の私は必死に考える。
猫性(人間性にてらして)を無視して幽閉することは猫には申し訳ないが、猫の被害を受
けているご近所さまにはもっと申し訳ない。
正直なところ、猫を幽閉している時には、電話が鳴ってもびくつかないでいられる。

人間の側にたった場合と猫の側にたった場合の心理の矛盾に管理人は悩む。

本館案内図に戻る / 管理日誌の一覧表