14 君はやっぱり『桃太郎』だった

「桃太郎でした!」とママさんから電話がきた。
検診結果で男子と確認されたそうだ。

私は霊媒師のような霊感を感じて君を『桃太郎』にしたわけではない。
ママの暴漢に会った災難を、ただ災難として記憶に残すことになっては、不幸な出来事に
なってしまう。
じっさいは、ママの勇気で犯人を逮捕したのだから、お手柄として君にも伝えたい。
そこで、強いママの子は『日本一』で『日本一』は『桃太郎』で『桃太郎は鬼退治』で、
ママの鬼退治にちょうどつながる。
それに、ママのお里から送って頂いた桃のおいしさの感動もおおいに影響していました。
りんごのおいしさでは日本一の自負を持っていますが、桃があれほどまでおいしいものと
は知りませんでした。

    しかし、今になって私は別のことを念想しています。
        君が私にテレパシーを送ってくれたのではないかと。
            「ボクは男の子!」と。

そんなわけで、私はますます君が好きになった。
世界中の誰にも言えないことを君だけに話そうと、ますます深く思うようになった。
桃太郎よ、君は私の希望です。

                            1999・12・4記

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