12 蜘蛛の小太郎

1999年10月17日から、ようやくママが退職できて、君の両親は同居を開始。
これからは君もパパの声を毎日聞けるわけです。
私も君の祖父も安心しました。

庭にはびこっている草は、君に伝えるために、観察して名前を調べているうちに、友達に
なってしまいました。いまでは草のおしゃべりが聞こえます。
猫と遊べる庭を考案中なのですが、その中に種が風に乗って飛んでくる野草も、野鳥が落
とした糞の中に混じってくる種も、猫が毛につけて運んだ種も仲間に入れましょう。
野原のような庭で猫とくらしたい。
野原のような庭に、もうひとつ、歓迎したい生き物がいるのです。

歓迎する生き物は蜘蛛です。
私は蜘蛛という生き物に、好意をもっているのです。
11年前に家を新築した時のことです。入居した時に、トイレに米粒くらいの小蜘蛛が小
さな網をかけていました。掃除しても、また、新しい網をかけている。また、掃除しても
新しい網をかけている。『いたちごっこ』という言葉があるのですが、おなじ意味で『蜘
蛛ごっこ』があってもいいと思いました。
ついに、私は蜘蛛に『小太郎』という名前をつけて、ファンになりました。
トイレに入るのが楽しみでした。

現在、庭には『小太郎』の何十倍もある、大きな蜘蛛が何匹もそれぞれに、餌捕獲の網を
張っているのです。みどり色の体に黄と赤の模様がある美しい大蜘蛛です。
私は彼等を写真におさめたくて、三脚を立てて挑戦しているのです。

先日、大蜘蛛(名前を知らないのが残念)の張ったネットに形のまったく異なる、小蜘蛛
が二匹、大蜘蛛と一緒にいたのです。蜘蛛にも家族はいるのでしょうか?
桃太郎よ、君と一緒に『蜘蛛の生態』探検の旅をしたいと私の夢はわきあがるのです。

     1999・11・2記

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