5 マンホールのふちに草が

桃太郎よ。君の母から電話があったよ。
パソコンiMacが届いて歓声をあげていたよ。
その時に、重大なことを聞いたよ。
この次の検診で、うまくいけば、君が男か女か判るそうだよ。
桃太郎よ、君が男の子でも、女の子でもバンザイで迎えるよ。
君がどんな赤ちゃんでも、どんな子供になっても、どんな人になっても、私のことを好き
になってくれなくても、君は私の希望です。

門から玄関までのアスファルト私道のしたは下水が通っている。
途中あたりにマンホールの蓋が有る。
蓋のふちに土やごみがたまり、そこに草の種が飛んできて芽を出した。
今年は可愛らしいからと、ちょっと気をゆるしていたら、今頃は一人前の草になった。
マンホールの蓋は道の真ん中にあるので、草は車が走っても両タイヤの真ん中になって無
事なのだ。
通路のワンポイントのアクセントになって面白いと思った。

通路を歩くと猫達がついて来る。
しゃがみこんで猫をかまっている時に、あることに気がついた。

通路のワンポイントと見ていた草は近くでよく見ると一種類ではないのだ。
ていねいに観察してみると、草は八種類もあった。
マンホールの蓋は直径四十センチくらいで、そのすきまに溜った土やゴミは幅も深さもせ
いぜい一センチもあるかどうかと思われる。
そんな、隙間に八種類もの草がはえていたことに驚いた。
どの草も、よく見る草なのであるが、私はそれらの草の名称を知らないことに気付いた。
庭にはびこる草を<雑草>とひとまとめに言っている。
雑草は私の天敵で、毎年、熾烈な戦いを繰り広げている。
                             1999/9/20記

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