45 ラルフ氏へ 21個のたこ壷に4個プラスしたら
ラルフ様 御机下。
前回はたこ壷21個を充たした充実感を吹聴いたしました。
今朝がたも目覚めた布団の中で21個のたこ壷を確認したところ蛸どもはおさまっていました。
ところが昨夜新たに設えた4個のたこ壷は空っぽなのです。いくら、まさぐっても1匹もいない。
がっかりしただろうと思われますか?
ところが、そうでもないのです。
私の実験は、予想の成果をはじきだしたのです。
布団に横たわりながら脳内には、さまざまな思いが交錯しました。
まずは、たこ壷にラベルを貼るべきだったことを思いつきました。
壷も色分けした方がいいかもなあ、、、、。
蛸にも一目でわかる扮装をさせたりダンスを仕込んだり、頭にはバーコードも打ち付けておくべきでした。
私が独自の芸を仕込まない蛸は私の思惑どうりには壷には入らないのだと言うことを思い知りました。
芸を仕込まない蛸というものは、いつの日にかオオダコ亡霊と化して襲ってくるかもしれない。
ちなみに申しますが、新しい4個のたこ壷のラベルは『下の句イ』の上の句オ、サ、ナ、ミです。
小倉山峰のもみじ葉こころあらば いまひとたびのみゆき待たなむ 貞信公(ていしんこう)
さびしきに宿をたち出でてながむれば いづくも同じ秋の夕暮れ 良暹法師(りょうぜんほうし)
嘆きつつひとり寝る夜の明くる間は いかに久しきものとかは知る 右大将道綱母
みかの原わきて流るるいづみ川 いつ見きとてか恋しかるらん 中納言兼輔
我が脳は、弱り果ててしまったということの身を呈しての証明実験でした。
蛸を飼って芸を仕込んでも、いずれはたこ壷の所在が判らなくなるのかもね。
でも、あきらめたわけではありません死ぬ直前迄、生きるつもりでいますからここから試行錯誤をいたします。
(2010.04.02)