36 妹へ。年賀状のこと。
妹へ。
新年初頭にシンプル生活宣言をしましたね。あなたも同感を示してくれました。
それまでの交友関係も極力しぼって、慣例の盆暮れの贈答もこちらに越して来た機会に
清算しようと家人と話合いました。
仕事を引退して五年目になりますが、現役時代より少なくなっていたとはいえ、年賀状は
年末のひと仕事でした。これも、止めようという決断をしまいた。
隠遁生活に徹する。
しかし、世の中には優しい人が多い。主人の人望のゆえか、義理堅いひとが今だに
多いためか、越した先まで年賀状がきた。
こころを寄せてくださる方々を無視するのは忍びがたいから、この方々には年賀状では
なく、普通郵便でご返事を差し上げる事に決めていた。
というのは、マイプリンターでプリントした年賀はがきを使用すれば、その方以外の人には
差し上げていたのではという誤解をもたれれば申し訳ないという想いからでした。
ところが、蓋をあければ新住所に年賀状が次々と舞い込む。
ご返事として、普通ハガキに数行近況を書き込む。
御承知のように作文が嫌いでない私には嫌ではない仕事。
プリントする賀状とはちがい、一枚一枚手書なので、相手のお顔を連想して作文すると、情の
こもった文と、そうでもない文とができて、自分でもオカシイなあと思う。
親しさを感じない人には外交辞令的になるのは仕方ないかもしれません。
あなたが一年の行事を「季節のご挨拶」としてまとめて親戚知人に配るのはきわめて賢明です。
古いのをたまたま引き出してみたら写真なしでした。
近年のはカラー写真入りで楽しい文面になっていましたね。
上達したのですね。素晴らしい。
(2010.01.10)