30 ドレッサーの前でアクセサリーを吟味

姉君へ。

こちらの秋を告げる写真を早速“本館”にのせてくれてどうもありがとう。 
また10月8日と12日と二回にわたってお褒めと励ましのお便りをいただいたのに、
返事が遅くなってごめんなさい。 
わざわざ二度も書いてくださらなくてもよかったのですよ。
最初のお褒めのことばで十分でした。 
けれん味がなくて読みやすかったら嬉しいです。
読んで理解してもらえる文章を書くのが第一の望みです。

考えを文章で表現することの難しさをつくづく感じています。
言葉をひとつひとつ丹念に選び、数珠玉を連ねるようにして文章をつづっていくのが大好きだとあなたは言いました。 
一方、私にとって、考えを文章で表現するということは まるで立体的なものを平面上で説明しようとする試みのようなものです。 
あれも言いたい、これも言いたい;ところがあれとこれは個別のものではなく、交叉している;どうしたら、それが表現できるだろう、、、 さらに日本語を使わないから語彙が非常に限られている。 
もっと適切な言葉があったはずだと知りながら、思い出せないままに手じかな単語でまにあわせてしまう。
非常に残念です。

とここまで書いていてイメージが湧きました。 
あなたと私がそれぞれ鏡台の前に座っている。 
あなたの鏡台にはさまざまなデザインのアクセサリーがいっぱい。 
首飾りひとつを選ぶにも、あなたはひとつひとつ身に着けてみて、鏡をのぞきこみ、
あちこち角度をかえて鏡に映った姿をながめ、満足したものを選ぶ。
その次はイヤリング、その次は指輪、、、、と身だしを整えていく。 
一方私のほうは首飾りもイヤリングも指輪もそれぞれたった一つしかない。
昔はもっといろいろ所有していたけれど、月日とともにどこかに置き忘れて、いまではひとつずつしか残っていない。
チョイスなんて優雅なことはいっていられない。首がさびしければ唯一の首飾りをつけるし、イヤリングもそのとおり。
首飾りとイヤリングをまだ間違わないだけがとりえというもの。

さてこの辺でペン(?)を置くことにしますが、 最後に質問。 
犬猫学術会に発表できるという数式(14匹+1+1+=16匹)のデータをうちあけてください。 
犬猫に関しては(14+1+1+=19)のほうが自然におもえますが。


(2005.10.15)


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