16 日本女性の美徳

またまたしてやられました。どうも変だと思ったのですが、案の定、姉の策略に
まんまとはまりました。お互い、いくら年をとっても5年の歳の違いは縮まりませ
ん。あなたはいつも5歳年上で、そのうえ、もって生まれたあなたのしたたかさをく
わえては、私の歯がたつわけがありません。あなたの技は61年の年月を通して、
いっそう磨きがかかったようです。白旗をかかげます。

さて“あなたの書きたいことを書き送ってください(引用)”とのお言葉に甘えて一
言。またたび館本館の8月18日付けの“ちょっと留守にしたら”と題したひょうた
んのつるの写真を拝見いたしました。まあまあたった一週間のあいだにずいぶん我が
物顔にバルコニーを占領したものですね。“つた”や“つる”を見る度に思い出すの
は40年も昔に聞かされた母君の教訓です。“女は木に絡まる“つた”のごとく、男
性に絡まって生きていくものだ。けっして自分が木だと思ってはいけない。つたの如
く生きるところに女性の美徳がある。”すでに人一倍自立心の強かった私には全く不
可解な教訓でした。

ところが、あなたのひょうたんのつるに占領されたバルコニーの写真を観ると、母君
の教訓の本当の意味がわかるような気がしました。一見なおやかなか細いつると心を
ゆるしていると、いつのまにかそれがボスの座をしめている。私もバンクーバーのわ
が庭で、イングリッシュアイビー(英国つた)をコントロールするのに苦労をしてい
ます。幸いながら、ジャパニーズアイビー(日本つた)というのはわたしの知ってい
る限りまだ存在しないようです。

いまトルコ旅行の最終準備におわれています。あと一週間で出発します。そうした
ら、三週間半ほどメールはご無沙汰することになるでしょう。

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