153 ワトソンの復帰(ひょうたん考、続々)

 

  ホームズに陰のように寄り添って生きた僕の人生は栄光に満ちたもののように
  思えたが よく考えてみたらすべてが幻想だった。
  過ぎ去ったものはすべて美しく見える。
 
  あれほどの怪事件を解決したホームズ、きみは僕の見果てぬ夢だった。
 今頃は、どこかの港でシャンパンを傾けているかもしれない ホームズ。
 大海原の落日に身を沈めているかもしれないホームズ。
 
  老ワトソンはひょうたんの葉陰で猫たちと昼寝でもするとしよう。

       

           

 

 


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