<また、旅に出る(1)>
親愛なるワトソンへ
真にすまないが、僕はまた旅に出かける。
今度は東南アジアの方角に一ヶ月ほど行って来る。
このバンクーバーの天候が思わしくないこともあるが、
それ以上に古い友人に会う義務をかんじている。
彼はインドの中南部に位置するマイソアに住んでいるが、
僕より若いにもかかわらず、健康がどうもすぐれないのだ。
昨年電話したときにはイタリアのローマから訪問中という娘さんが
返事した。
彼は糖尿病で入院中だという。
僕はとても心配したよ。
そこで半年後に電話をしたときに、彼が元気な声で応えてくれて、
とても嬉しかったよ。
彼はとても元気で入院していたことも忘れたようだった。
(これは脳のほうに歳が現れているとも考えられる。)
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