<君からのメッセ−ジ>
告白することがある。 君からのメッセージを太平洋の果てで受け取った。
それは不思議としかいえない方法だった。
僕が乗った客船には3000冊の本をおさめた図書ルームがある。
さらに乗客が残していった本もある。
航海もおわり近くなったとき、なんと僕はその中に日本語の本を一冊みつけたのだよ。
読んでみて驚いた。
これは猫が殺人事件の解決の鍵をにぎっていたという筋立てであった。
被害者の一人は猫を十数匹かっているという一人住まいの老婆だ。
それだけではない、猫にかんする賛辞にすくなからずページをつかってあった。
「、、、日常をよく生きることにかけて、ひとは猫に到底およばない。
“そこにいる”あるいは“ここいにる”ことを、猫のようにさりげなく
上手に楽しむ才能は、ひとにはないとおもう。
、、、猫のいない日々というのは、猫型のピースの欠けた、
いつまでも出来あがらないジグソーパズルのようなものだ。、、、」
ワトソン、あの本はねこ好きの君が僕に送ってきたメッセージに違いないと、僕は信じている。
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