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 南洋の島々を訪ねるには、、、
 
 地球儀をもちだして僕の旅の航路をたどっているであろう君の姿が眼にみえるようだ。
 今回は赤道と日付変更線の両方を横断した。
 またタヒチやフィジーやサモアやクック島も日程にはいっていたので、僕もすくなからず期待していたものだ。
 とりわけ、少年時代に「チコと鮫」という映画を見てからというもの、ポリネシアを訪問するのが僕の夢だった。
 
 ところが、ボラボラ島にたどりついてみると、現実はきびしかった。
 いや、ボラボラ島に責任があるわけではない。
 むしろ2000人の乗客が82,000トンの船でおしよせるのが間違いなのだ。
 32キロの道路で一周できるほど島はちいさい。
 いつもはローカルの公共バスとして走っているトラックもその日は黒真珠を販売するお店の客引き専用車に
 変貌してしまう。
 道を歩いて会うのは、お土産やの客引きか、ほかの旅行客ばかりである。
 
 本当のボラボラをみたければ、小さいボートでひっそり上陸し、数日は滞在しなければならない。
 そして南洋樹のしげった小道を歩きまわったり、人っこひとりいない海岸をみつけることだ。
 巨大な豪華船と南洋のデリケートな小島というのは、そもそも異質のものなのだ。
 
 ボラボラ島では黒真珠を養殖しているが、興味深いことをきいた。
 施設は現地人が所有していても、実際に核を真珠貝に植える操作は日本人と契約してやってもらうという。
 その契約は数年間も満杯で、腕の良い職人なら一人年間一億円稼ぐそうだ。
 最近現地のポリネシア人にその技術を訓練しはじめたが、進歩がおそいという。
 (お箸をつかわせたらどうだろう。 手先が器用になるとおもうがね。)
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