082 帰国したホームズ(船旅)










親愛なるワトソンへ

僕はお詫びしたい。 
君の安全をおもうあまり、言葉がきつすぎたようだ。 
「、、、小四郎くんのおかげで、どれほど楽しい思いをしたか、ホームズ、君には想像もできないようだね。」
との君のことばに僕は胸をつかれた。 
留守中に寂しいおもいをさせたようで、申し訳ない。 
君が小四郎君が悪い人間ではないというなら、僕は君の判断を尊重する。

今回の旅では太平洋をのんびりとアメリカ西海岸からオーストラリア東海岸まで船で横断した。 
さて、僕が乗った客船は77,000トン、長さ261メートル、幅40メートル、デッキの数が15もあって、
水面上に見える高さが56.5メートルもある。 乗客と船員を合計すると3,000人である。 
それでも、このごろ製造されているマンモス客船(130,000トン)にくらべると大きいとはいえない。 
現在のパナマ運河を通過できる船のサイズの限界が92,000トンという。 
新しいパナマ運河を建築する計画は君も耳にしているだろう。 

シアトルから乗船したあとハワイ、タヒチ、サモアやフィジー島に立ち寄り、それからニュージーランドの
東海岸をまわってからシドニーで下船した。
9月23日に出発して10月24日に下船すると日程にあった。 
32日間の航海だとおもっていたら、実際は31日間だった。 
どうしてかわかるかね?

ホームズ


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