062 ホームズ旅行中(本来なら懲戒免職)



拝啓  ジョン・H・ワトスン様


当局での監視体制は解かれましたが、
私は両氏の遣り取りに魅せられてしまいました。
元々、少年時代に『名探偵ホームズ』を夢中になって読んだのが
現在の道を志した切っ掛けである私にとって、
例え巨大犯罪では無くとも、
両氏が再び事件に挑むというのですから、
心躍らずには居られません。

本来ならば、監視対象に監視の事実どころか、
自らの肩書きまでも明かすなど、
懲戒免職程度で済む話では無いのですが、
矢も楯もたまらず、メールをさせて頂きました。

誠に勝手な要望なのですが、
私がワトスン先生にメールを出したという事は
他言無用に願います。
これもひとえに、両氏の大ファンであるが故の行為なのです。

ところで、
現在ホームズ先生は御不在との事です。
これ迄の失礼・無礼に対するせめてもの罪滅ぼしとして、
私ではお役に立てないでしょうか。

深刻な「猫たちのトイレの問題」に関する子細を御教え頂ければ、
私に出来うる限りの情報源を駆使して、
最善とまではいかなくとも、
現状打破の切っ掛けとなる程度の改善策なら
提示出来ると自負しております。

どうぞ御一考下さい。敬具。

明智小四郎

 




 


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