親愛なるワトソンへ(2)
客人のなかに、ハウスコーという一家も招待されていた。
その奥さんはビリーと言う名前だが、エルバがアルバータ州立大学で寮生活をしていたとき、
寮管理をしていたという女性で、つまりエルバが独身時代から知っているという、長い長い
知り合いである。今は退職して75歳ほどだ。その女性の誕生日が今日であるということで、
皆でハッピーバースデイを歌った。
そこでエルバが言うには、「あなたは誕生日が二つあるということは知っているのよ。
ひとつは9月よね。もうひとつは今日か、明日か、日付をはっきり知らなかったの。」
そこで、興味をひかれたぼくは訊ねたね。
「どういうなりゆきで誕生日が二つもあることになったのですか?」
控えめなビリーは淡々と話してくれた。
ワトソン、君なら、ここで、どんなことを推理するかね?
ホームズ
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