052 二度誕生した婦人(75歳ほどの婦人)












     

      親愛なるワトソンへ(2)

     客人のなかに、ハウスコーという一家も招待されていた。 
     その奥さんはビリーと言う名前だが、エルバがアルバータ州立大学で寮生活をしていたとき、   
     寮管理をしていたという女性で、つまりエルバが独身時代から知っているという、長い長い
     知り合いである。今は退職して75歳ほどだ。その女性の誕生日が今日であるということで、
     皆でハッピーバースデイを歌った。 

     そこでエルバが言うには、「あなたは誕生日が二つあるということは知っているのよ。 
     ひとつは9月よね。もうひとつは今日か、明日か、日付をはっきり知らなかったの。」

     そこで、興味をひかれたぼくは訊ねたね。 
     「どういうなりゆきで誕生日が二つもあることになったのですか?」
     控えめなビリーは淡々と話してくれた。

     ワトソン、君なら、ここで、どんなことを推理するかね?


     ホームズ

 


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