037 四つの証言(愛猫家の恥)

 

          


            ホームズ殿

           
           今回は、愛猫家のぼくの最大の悩みを相談したい。
           言い出したけれども止めようかな?と、思案しているのだよ。
           なぜって?
           恥ずかしいのだよ。
           愛猫家としての恥と言えることだからだ。
           「勿体ぶらないで、早く話せ!」って、分ったよ。
           観念して話すことにするよ。

          
           『すみれ』は飼猫としてあり得ない猫なのだ。
           
           
           ぼくを徹底して嫌っているのだよ。
           ぼくの顏をみれば逃げ出していくのだ。
           ぼくの姿が見えているあいだは食事もしない。
           ぼくが居なくなったのを確認しなければ出てこない。
           ぼくのどこが嫌われる原因なのか解明してくれないかい。
           茶太郎は今では、ぼくに夏毛の手入れをさせるほど“良い子”になった。
          
            
           すみれも茶太郎のようにならないものか?
            頼むよ、ホームズ。

           
            ワトソン

 


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