036 後日談(ホームズからみんなに)




返事が遅くなって申し訳ない。 
事件が解決したことでほっと気を抜いたのがいけな かった。 
館長さんが子供たち3人の訪問で多忙とおもい、お邪魔をしないようにと
心がけたのである。 
人間嫌いのはずの茶太郎君が子供たちのお相手をしている写真 をみて、
なるほど彼の行動に変化が起こったことがよくわかる。 
僕がお役にたてたとおもうと、とても嬉しい。

ところで、訪問中のお客様のなかには”昆虫博士”と呼ばれている方がいる
と僕は知っている。 そこで、僕の最近の経験を披露したいとおもう。

さて、蜂に悩まされたことがあるかね? ミツバチではなくジガ蜂である。 
ミツバ チは花に集まるが、ジガ蜂は僕たちが食べ物を食べたり飲んでいると、
たかってくる。 肉や魚や甘いジュースが好きで、庭に用意した食卓のまわ
りを飛びまわる。  うっかり手ではらいのけようとしたら、チクリとやられる。
落ち着いて食事を楽しむことがむずかしい。 

ところが最近、うまい対策法を耳にした。 
つまりジガ蜂はそれぞれ縄張りがあるの で、そこが他人(他蜂)の縄張りだ
と認識すると、よってこないというのである。 
そこで、茶色の紙袋をふくらませて食卓の近くに下げると、それをよその
ジガ蜂の巣 と勘違いして、5−6メートル離れたところに移動するという。 
そこで早速それを 実行した。 
大きな紙袋をふくらまして姫りんごの木の枝にさげた。 
僕たちはいつ もその下で晩酌をする。 
効果てきめん。
一、二匹のジガ蜂が飛び交うが、すぐど こかに姿をかくす。 
これはしめた、とよろこんだよ。 

数日後、探し物をしていて、夜に庭にある物置にはいっていった。 
暗い物置の戸を あけて、電灯のスイッチをいれた。  
そうしたら、おどろくなかれジガ蜂が即座に 裸電球のまわりをジンジン音を
たてながら飛び回りはじめたではないか!! 
その数 はあっという間に6−7匹にも達した。 
それ以上増えるまえに僕はあわてて電灯の スイッチを切った。 
なんと、紙袋の出現が原因で、ジガ蜂は自分たちの巣を移動し たのである。 
蜂たちにとって僕は夜の侵入者であった。

皆さんのために証拠写真をとっておいた。 
(1)姫りんごの枝に下がった紙袋 (黒いものはふくろうの形をした飾り物) 
(2)日中に撮ったジガ蜂の巣。直径 が15センチほどである。 
つやのある銀色をしたろうそく細工のような見事なもの。 
表面に2匹のジガ蜂がみえる。 
日中はみな外にでかけて働いているので、数が少ない。

昆虫博士、いかがかな?
  
ホームズ



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