029 恐怖の舟(いよいよ、おきるぞ)

 

 

    

      ホームズ殿

 

          いよいよ、おきるぞ、事件が!!



   

 

 

          今朝はガラス窓は叩かずに、やさしい小声で鳴いてくれたよ。
          十匹以上居る猫の中で、このような行動をするのは茶太郎だけなのだ。
          つまり、姿は見えないが部屋にぼくが居ることを意識しているのだ。

          ぼくは嫌われているとばかり思っていたのに、茶太郎に愛されていたと言うわけだ。
          茶太郎のヤツ、ぼくが嫌いではなかったのだ。
          
          見れば見るほど、惚れ惚れするほど美しいオス猫なのだ、茶太郎は。
          べたべたしないところがオス猫として絶品、と思うことにした。
          怪事件『真夜中に猫が窓ガラスを叩く』は一応、解決したことにしょう!
          ありがとう、名探偵ホームズ、君のおかげだよ。

          ワトソン

 

 

 

 

 

 


     


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