024 恐怖の舟(ボートの練習)

 

 

 

 

 

 

 

 

    
   


      (022)から続く


      ところで、ドラゴンボートは20人のこぎ手が二人ずつ10列に並んで座る。    
      先頭の二人のこぎ方でリズムが決まる。 
      残りのメンバーは自分の前にいるこぎ手のリズムに合わせてこぐのである。 
      各自が1.2メートルほどの長さのへら状のオール(パドル=paddle)
      を使って漕ぐ。 慣れてくればボート全体のリズムを身体で感じるようになる。 
      (合唱隊のメンバーとして歌うような感じである。) 

      その一方、ボートの進行方向はボートの後尾に乗るコーチがコントロールする。 
      コーチが使うパドルは長さが2.5メートルほどもある。 
      これは漕ぐのにつかうのではなく、舵をとるのにつかわれる。 
      コーチは船尾に立ち、水中にその長いパドルを差し込んでその角度を変えるこ
      とによって進行方向を操り、一般のわれらは足軽兵のごとく、ただひたすらに
      前向きに漕ぐのである。  
      後尾に立っているコーチには全員の漕ぎ方がよくみえる。 
 
      15分ほども漕いで油がのったころに、コーチは全員に漕ぐのをやめさせて、
      個人指導にうつる。 舵取りのパドルを誰かにたのんで、自分はボートの前端
      に移動し、前から順番に2人づつ漕がせて指導する。 
      その間は他のメンバーはおしゃべりしたり、手持ちの飲み水を飲んだり、と自
      分の番がくるまでリラックスする。 
      通常最後の席にはある程度の経験があるメンバーすわっていて、その人が舵と
      りの代役をする。 
      僕とカレン嬢はいつも最後から3番目ほどの列に座るようになっていた。
  


  

     


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