親愛なるワトソンへ
ようやく僕の“とてつもない経験”について語るときがきたようだ。
以前に語ったとおもうが、僕は去年の秋にドラゴンボートのチームに加わった。
性別は問わないが55歳以上で初心者というのが加入の規定である。
ふたを開けてみたら、僕などもっとも若いうちだった。
(もちろんカレン嬢はもっと若いのだが、初心者という口実でむりやり入れてもらった。)
中には80歳の誕生日を迎えたという老嬢もいられる。
しかし年齢でごまかされてはいけない。
初心者どころか何年も年季をつんだ連中がたくさんいるのだ。
身体の動きは少々鈍くなっているが、ボートにかんする知識と経験が豊富という連中である。
その中で僕は青二才であるが、もともと習得が早く、身動きがきいて、スタミナもある僕は
すぐコーチの注意ひいたようだ。
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