022 恐怖の舟(ドラゴンボード)

 

 

 

 

 

 

 

 


  


   親愛なるワトソンへ


  ようやく僕の“とてつもない経験”について語るときがきたようだ。
  以前に語ったとおもうが、僕は去年の秋にドラゴンボートのチームに加わった。 
  性別は問わないが55歳以上で初心者というのが加入の規定である。
  ふたを開けてみたら、僕などもっとも若いうちだった。  
   (もちろんカレン嬢はもっと若いのだが、初心者という口実でむりやり入れてもらった。)
  
  中には80歳の誕生日を迎えたという老嬢もいられる。
  しかし年齢でごまかされてはいけない。
  初心者どころか何年も年季をつんだ連中がたくさんいるのだ。 
  身体の動きは少々鈍くなっているが、ボートにかんする知識と経験が豊富という連中である。
  
  その中で僕は青二才であるが、もともと習得が早く、身動きがきいて、スタミナもある僕は
  すぐコーチの注意ひいたようだ。
    

     


またたび館トップページへ戻る