ホームズ殿
「興味を失ったかも?」とんでもない、益々、興味津々である。
ロマンスの香りがまったくないという所ではがっかりしたが、
これとて、もしかしたらぼくの目をあざむく作為、、、、、
いやいや、ぼくならやりそうな小細工だけれども、ホームズ、
君は全くのゼントルマンだから、そんなことは、ないんだよねえ。
君の詩に対する明解な解釈はぼくにも分かるような気がするが、
カレン嬢を的確に表現するところを、“時折けむるブルーの瞳は
現実をさまよい切れないもののみがもつ永遠への憧れを宿す、、、”
なんて言ってくれたら、年甲斐もなく、ぼくはバンクーバーに飛ん
でいくね!
冗談はさておき、バロック調の美女であることには間違いないわけだ。
くだんのぼくに白百合を送ってくれる女性を“谷間の白百合”とひそかに
命名しているのだ。“谷間の白百合”は最後の一本が咲いたので貰いに来て
くれと言ってぼくを呼びつけたのだ。
なんだかんだ言ってぼくに会いたいのだよ。
これが、恋情というものだよ。
ホームズ、君だって枯れてしまってはいけないよ。
「恋せよ、ロージン〜」だよ。
“おもいがけない経験”なるものを、かたずを
飲んで待っている。
ワトソン
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