011 茶色の研究(頭がクラクラ)

親愛なるホームズ殿

ホームズ、茶太郎のことで君の頭脳を混乱させてしまって申し訳ない。まずはぼくの頭が混乱
していることを先に申し述べて陳謝しなければならない。ぼくは2年前に引退した時点で有能
なスタッフを解放してしまったので、書簡に関しても控えを取っていない。医療事故の法廷に
引き出される心配もなくなったので、今更きゅうきゅうと書類の保存の生活から自分を解き放
ったことをまず、承知願いたい。茶太郎の系図がしっかりしていると明言したのであれば、そ
れは取消すことにする。なにしろ控えがないので、、、、。興にのって、べらべらしゃべった
ことは憶えているが、、、、内容がね、、、、。

まず「茶ピー」と「茶子」について。同一猫ではない。ぼくが、耄碌(もうろく)したらしい
、、、。今回のクライアント猫の主人公は茶太郎である。彼の母猫は忍者猫の「茶ピー」で一
度のお産で四匹の子猫を産んだとおもってくれたまえ。母猫「茶ピー」とまったく同じ毛色な
ので、名前は「茶子」にした。数年前に死亡。最初に茶ピーと茶子を混同したらしいのは、ぼ
くの脳配線のちょっとしたトラブルと承知を願う。4匹のあとの2匹はそっくりさんの赤毛と
ら猫のメスで2匹とも親戚筋に貰われていった。この2匹のそっくり姉妹猫は最近、貰われた
家庭の事情で出戻って来た。7歳にもなっているので親兄弟の記憶は抹消されている。人間な
ら、さしずめカンセリングが必要な状態だろう。

さて、君の指摘された茶ピーの連れ添いのことだが、血統書をつきあわせて子猫を産ませるよ
うなことをしている訳でないので、ぼくにもわからん。う〜ん、わからんではいけないな。そ
うそう、フェンスを建てる前に親なし子猫が迷い込んできたことがあってね。まったくの野良
猫の子なのだよ。「どうして、分かるか」って?
「誰かが猫屋敷に放り込んでいったかもしれないじゃないか」って?NO!である。
ぼくが、猫とどれほどのつきあいをしているか、君だって知っているだろう。
「またちゃぶ」は間違いなく、野良猫の子どもである。彼がどれほど、ぼく等人間を警戒した
か、痛々しくて涙なしでは語れないよ。当時はみちる(通称みーこ)が第一線の現役メス猫で
子猫10匹くらいの親だった。自分が産んだ子猫と兄猫の子猫(みーこからみたら甥姪である)
と、ある事情で引取ってあげた3匹を入れて、はっきりした数はもう忘れたが10匹はいたと
思うが、これら大家族の中に一匹子猫がまぎれ込んでいた。ホームズ、君ほどの頭脳の持ち主
でも、このあたりでズキズキしてきたであろうことは想像できる。ぼくだって、あたまがクラ
クラしてきたよ。

猫のことはひと休みして、君のカヌー競技参加のことだが、今年もやるんだね。君の元気とチ
ャレンジ精神には脱帽するよ。泥にまみれて舟を押したり、水中で転覆した舟を戻すトレーニ
ングなんてね〜ぼくだったらギャラを貰えても、きっと断るとおもうね。しかし、高齢者を対
象にボートレースなんてね、さすがバンクーバーだね。体を張っての仲間同士の付き合いは、
年齢を忘れて興奮することだろうね。

ワトソン


              

 


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