003 茶色の研究(窓を叩く猫)

 親愛なるホームズ殿へ

 君に手紙を出した後に、返事を待って何度ポストを
 のぞいたことか。悠々自適の引退生活を満喫
 しているホームズにぼくの猫のことなど
 たのんで、立腹しているのではと。
 ぼくの取り越し苦労だったよ。

 実はだね、窓ガラスを叩く茶太郎を探偵
 していたので、その第一報を送ることにする。
 茶太郎は非常にナイーブな猫なのだよ。
 茶太郎の写真を添付するが誕生は2000年
 3月6日の月曜日だった。母猫は1999年
 5月31日のこれも月曜日だった。
 星占いをして貰う訳ではないから生年月日は
 余り問題にはならないか。
 としたら、家族構成について言及しよう。
 猫に家族がいるのを不思議に思うかもしれないが、
 家系はしっかりしている。
 と言っても、血統書付きというわけではない。
 ぼくの猫達は全部が雑種の日本猫であるよ。
 茶太郎の母猫は茶子といい、茶子の母猫はプリンと
 いうのだよ。
 茶太郎は母猫と祖母猫も一緒にフェンスの囲いの中でくらしているのだ。
 更に彼には、里子先から戻って来た2匹の妹猫がいる。
 ガラス窓を叩くことは、共に生まれた2匹の妹たちが戻ってくる前のことだったので、
 これが原因ではない。
 ここまでの報告をする。
 何を調べたら良いか指示してくれないかい?

 ワトソンより


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